とにかくドエロい
媚薬で理性を奪われてどうしようもなく感じまくるもえちゃんがとにかくドエロい。段々周りが見えなくなるほどペニスとセックスにのめりこんでいく姿に背徳感と征服感と凌辱感とがないまぜになってグッときます。かわいい子を好き放題もてあそんでやりまくりたいというダークな欲望を満たしてくれる一方で、暴力や激しい言葉や汚すような描写はないので単純に我を忘れて乱れるもえちゃんで興奮することができます。
もえちゃんと彼氏が学生時代からの友人の男を訪ねこんど同棲する部屋の紹介を頼むところからスタート。この男は前からもえちゃんを手に入れたいと考えていて、もえちゃんがひとりで男を訪ねてくる策略を仕掛けて強力な媚薬の飲ませて・・・という設定。
男に媚薬を飲み物に仕込まれ犯されてしまう→拘束されおもちゃでいかされまくる→彼と電話している男にフェラさせられる・シャワーをあてられるだけで感じまくる・男の部屋を訪ねてきた彼氏を玄関口に放置したまま男にフェラからの彼氏が去ってからそのままセックス→男とずっとセックスすることを誓う最後のパート→彼のスマホに送られた動画の中で男とセックスしながら別れを切り出すラストという構成になっています。
理性とエロス
もえちゃんの女優としての魅力はさまざまあるのですが、そのひとつに理性とエロスのバランスがあると考えています。絡みの時はもちろん快感に没入したりある種の錯乱状態になったりすることもあるのですが、全体を通じて底が抜けたようなエロさではなく、どこか理性や恥じらいのようなものを保っているのが独特の魅力を放っていると思います。そして表裏一体のように理性的で冷静なふるまい、清楚で穏やかな佇まいをしていても奥底に欲望やエロスを抱えている。理詰めで誘惑して男をとことん攻めたと思えば自らの意思で性欲を思い切り開放してセックスにのめり込む。こうした理性とエロスを変幻自在に行き来することで見るものを飽きさせない表現を成立させていると考えています。
理性という蓋
そうなると当然考えてしまうのは「もえちゃんの理性の蓋をはずしてエロだけを開放したらどのような表現になるか」ということです。そこで登場したのが今回の「媚薬」。外部的な要因で強制的に理性のタガを外したことによるエロスをどう表現するかというのがテーマ。これまでもえちゃんがあまり手掛けていないテーマだと思います。本作では媚薬によって「セックス以外の感情が無くなり周りが見えなくなるという」という壊れた感じをとても上手に表現しています。そしてそれがおすすめポイントにもつながります。
おすすめポイント①よだれの表現
まずは「壊れた表現」としてのよだれ。媚薬を仕込まれたもえちゃんはだらしなく舌を出して感じるようになります。それにあわせて垂れるよだれ。もえちゃんの作品を見続けている身からすると、もえちゃんの普段の絡みの表現ではあまりよだれを垂らすような感じ方をしないことを知っているので、この姿に「壊れた」感じをより強く感じました。
42分すぎ、騎乗位で抱き着きながら突かれるもえちゃんのアップ。よだれを垂らしながら感じるもえちゃんにグッときます。
45分すぎ、男がバックから挿入すると、もえちゃんは自分からお尻を激しく動かして「逆ピストン」します。ガクガクさせながらイクもえちゃん。そのお尻の様子を映していたカメラが顔のほうに回り込むと、ダラーッとかなりの量のよだれを垂らしているもえちゃんの姿。四つん這いになったもえちゃんがよだれが布団まで垂らしバックから突かれる姿が淫らです。
この「逆ピストン」+よだれ、1時間27分ごろにも出現します。椅子に腰かけた男のペニスを入れやはり四つん這い状態に。男の腰が高い位置にある分、もえちゃんはお尻を突き出すように高く掲げ、ガニ股のになって、上下に大きく腰をふります。かなり下品な格好になりつつよだれを垂らしながら感じるもえちゃん。壊れた感じが強調されます。そして男がもえちゃんのよだれを吸い取るようにキスをするのもそそります。ふだんはかわいらしいキスや優しいキスが多いもえちゃんだけに、汁気のあるちょっとえげつない感じのキスは目を引きます。
1時間48分過ぎのよだれもおすすめポイント。さんざんイかされつつ挿入を焦らされてようやく入れることをゆるされて騎乗位でつながるシーン。自分から入れて焦らされた分思う存分杭打ちしていきます。半開きになった口から滴ってくるよだれ、今度は男が付き返し始めるとさらによだれを垂らし体をのけぞらせていきます。「もっとおちんぽして」といいながら騎乗位で感じまくる姿はほんとうに気持ちよさそうです。
おすすめポイント②潮吹きの表現
次に「壊れた表現」としてあげるのは「潮吹き」です。潮の吹き方も千差万別ですが、今回は大量にという感じではなくピューっと短く、でも勢いよく出る感じ。もえちゃんのいう「特殊な訓練の成果」だと思います。言葉で明確に説明するのが難しいのでここは実際に見てほしいところですね。
それはさておき、この潮吹きが思いのほか効果的だと思いました。言い方が難しいのですが、ここで出るだろうな、というタイミングからちょっとだけずれで出るのです。それが、我慢しようと思うんだけど思わずぴゅっと出てしまうという表現になっててちょっと調子がおかしくなってる感じがでてそれが「壊れた感じ」につながっています。
潮吹きで印象的なのが41分20秒すぎ。正常位で突かれて感じまくるもえちゃんが潮を吹きます。大きく開いた股からぴゅっぴゅっと出てしまう。男はそこに追い打ちをかけるように挿入してまたピストンをはじめます。そしてまたもえちゃんはイき、また潮を吹きます。男がペニスを抜き終わってから少したっても何度も何度も拭いてしまう感じが壊れた感じがします。
さらに印象的なのが1時間4分過ぎ。ソファーに座らされておもちゃでイかされているもえちゃんがさらにバイブと電マで攻められイきながら勢いよく潮を吹きます。そのあと、はーっ、はーっと息を吐くのに合わせて潮が噴き出てしまうのでとてもエロいです。このあとも「ちんぽください」といって吹き、もういちど「おちんぽください」といって吹き、そのあとまた息を吐くたびに断続的に吹き続けるという一連のコンボ。媚薬がききすぎてヴァギナが壊れてしまった状態に感じられてすっかりやられました。
最後に紹介するのは1時間55分30秒すぎ。最後の絡みでバックでひたすら突かれるシーン。イったあとにまた深く突き刺されるもえちゃん。お尻を高く突きあげたままもう一度イきます。少し間があってしばらくすると、潮がびしゃびしゃと垂れてきました。そして一方でそのまま垂れ続け、それとは別にまた息を吐くたびに潮が勢いよく吹き出します。こちらはさらにとうとう壊れちゃった、という感じが良く出ていていやらしいです。
繰り返しになりますが、これがイク瞬間にあわせて出る感じだと気持ちいから出ちゃった、という快感の表現になるのですが、ちょっとだけテンポが遅れることで、イったことでどうにも我慢が出来ずにもれちゃったという感じが強調されることになり、歯止めがきかない=「壊れた」という雰囲気が出る結果になったと思います。どっちも大して変わらない、と思うかもしれませんが筆者はかなり視覚的効果に差が出ると思いました。
おすすめポイント③フェラの表現
「よだれ」「潮吹き」が媚薬で限界突破してしまった快感の表現、そしてそれによって「壊れた」表現だとするならば、媚薬の快感で「壊れた」結果周りが見えなくなっている表現、それによる服従の表現として巧みに織り込まれているのがフェラです。
無理矢理からの即堕ち
32分ごろ、男に無理やり口にペニスを入れられてしまうもえちゃん。眉間にしわを寄せ、嫌そうにします。しかしそこから男はいったん口から抜いて、もえちゃんを攻めます。
快感を与えられたもえちゃんは次に男がペニスを口に差し込んだ時には最初のように眉間にしわこそ酔っているものの、自ら積極的に動かし始め、最後には手を添えてフェラをし始めます。つまり自発的に迎え入れているわけで、堕ち始めていることを示す良い変化でした。
一方で、初見の段階ではちょっと堕ちるのが早いのかなとも思いました。1絡み目は嫌だけど感じる、感じるけどやっぱり嫌、という位置づけのほうがメリハリがつくのではないかと考えたからです。ところが見ていくとこれこそが次のステップに進むためのメリハリだということが良くわかります。
おあずけの調教感
1時間過ぎ。拘束されておもちゃでさんざんイかされたもえちゃんは男にペニスがほしいか聞かれます。ほしいと意思表示してペニスを見せられると嬉しそうな顔をしてしゃぶろうとします。しかし男はあとずさりしてしゃぶらせません。もえちゃんはペニスを求めて口を開け四つん這いのままハイハイするように追いかけます。結局ここでは男はしゃぶらせずに再びもえちゃんをおもちゃで攻めまくりおあずけします。この調教感がたまりませんでした。
同時に、この時もえちゃんの目にはペニスしか映っていないし、頭の中もペニスをしゃぶってその後入れることだけなのです。自分が何をさせられているのかとかどんなかっこなのかとか、恋人のこととかはいっさい頭にない。前述したように壊れた結果、頭にはペニスとセックスのことだけで周りが見えなくなっている表現としてとても効果的だと思いました。
周りにはもう無関心
さらにこの表現が一歩進みます。1時間6分過ぎから。もえちゃんと連絡のつかない彼氏と電話する男。カメラが下がると電話をしている男にフェラするもえちゃんの姿が。電話の雰囲気から相手が誰なのかや内容は何なのかはわかるはずですが、まったく気になる様子もなく懸命にフェラします。
さきほどは男とだけ対峙しているときにペニスを求める、でしたがこんどは彼氏の存在がはっきり感じられるシチュエーションでもそれにまったく関心を示さずしゃぶり続ける、という姿がより周りが見えない表現が強まっています。
さらに、彼氏はもえちゃんのスマホにメッセージを送るのですが、それに気が付いた男がもえちゃんに「手出して」といって指紋認証させ、スマホのメッセージを覗き見ます。その行為が何を意味するのかは通常ならわかり過ぎるほどわかるはずですが、命令を素直に聞くもえちゃん。実はもうそれが何を意味するのか分からないくらい媚薬づけになっているのか、わかっているけどそれよりペニス、で関心を失っているのか、どちらともとれますが、いずれの意味にとっても周りのことに関心が向かないくらい虜になっている表現。全体のシーンからするとちょっとしたアクションですがとても新鮮で秀逸でした。
さらなる調教感と服従感
このフェラの表現がさらにもう一段上がるのが1時間10分過ぎからのパート。彼氏が仕事の合間に男の部屋を訪ね、相談していた件の書類について尋ねます。模様替えをしていて入れないと玄関口で待たせる男。奥の部屋には全裸のもえちゃんがいます。部屋まで戻った男のペニスを求めるもえちゃん。じゃあ「追っかけてごらん。犬みたいにお尻振って」と再びあとずさりしながらペニスを追わせます。いう通りに追いかけて、ズボンの上から張ったペニスに舌のほうから顔をすりつけるもえちゃん。ほしいの?と聞かれて「うん。ほしい」と呆けたほうにうなずく姿。そして舌を出しながらペニスが現れるのを待って、出現した瞬間目を見開いて、「はああ」といってしゃぶりつく姿はエサを心待ちにしていたワンちゃんのような仕草。めちゃくちゃ興奮します。
カメラの奥に見える玄関口の彼と手前でよだれを垂らしながら一心不乱に男にフェラするもえちゃん。とても嬉しそうに、そして丁寧にねぶっていく姿がいやらしいです。そして「美味しい」といいながらさらにしゃぶり「エッチしよう」「ちょうだい」とおねだりします。そこに玄関口で待っていた彼が男に声をかけ、二人は話し始めます。しかしもえちゃんはやはりそれとは全く無関係にフェラを続けます。
半端ないNTR感
その様子を見て男は彼に「もえちゃんは大丈夫なのか」と話題を振ります。心配そうな彼の声が聞こえているのか聞こえていないのか、もえちゃんはさらに激しくしゃぶり続けます。玉も竿も舐め上げそしてまた「ちんぽちょうだい」。そうこうしているうちに彼はそのまま帰ります。「彼氏いたのにこんなにちんぽしゃぶっちゃってもえちゃんほんといけない子だね」と話しかける男。もえちゃんはそれには答えず「ちょうだい。ここにちょうだい」と股を開きます。
先ほどは、電話口で感じる彼の存在に関心を示しませんでしたが、今度はさらに実際にすぐそばに彼がいてもまったく関心がなくいないかのようにより激しく淫らにペニスを求めていきます。この無関心ぶりと没入ぶりが、周りが見えないもえちゃんが「仕上がった」感じがしてヤバい。背徳感と調教感。壊して征服した、という感覚が刺さりました。
あどけない感じがたまりません
ここまで支配してしまえばあとはいいなりです。チャプターは変わって1時間35分すぎ。パンツの上から勃起したペニスをしゃぶるシーン。直接しゃぶるのをお預けされつつもパンツごと丁寧に舐めていきます。「ちんぽほしい」「ちんぽちょうだい」とかわいくおねだりするもえちゃん。「どんなにおいするの」と聞かれて「いいにおい」とにっこりわらう笑顔がぐっときます。あどけなく「いっぱいほしい」と続けるのも興奮します。
壊れた感じの増幅
1時間39分ごろ。入れてとおねだりするもえちゃんにほしかったらまず上のお口でご奉仕してと、口の中を指でかき回されながら言われます。これに対しもえちゃんが「お口気持ちいい。もっとして。もっとお口」と舌を出しながらいうのが痺れます。「じゃあこれでかき回しちゃおう」とペニスを出そうとする男を見て何とも言えない嬉しそうな表情を浮かべます。子供が好きな食べ物やおもちゃに対面する直前の期待のようなそんな顔にも見えて可愛くもありヤバくもあり、「壊れた感じ」を増幅させます。出されたペニスをみてむしゃぶりついていくときにはっする「ああちんぽ」という言葉が何とも言えずいやらしいです。
ここはもうご奉仕というより早く入れてもらうための期待感のフェラ。自分で股間をいじり、マットレスに擦りつけながら辛そうにおねだりし、舐め上げていきます。ついには男の太ももを抱きかかえるようにして足に股間を擦り付けながらフェラをしはじめるもえちゃん。奉仕しろという命令に従いながら我慢しきれない欲求が噴出したシーンです。
冒頭との対称が見事
そしてフェラとしての最後は、ラストのフィニッシュ後のお掃除。まだ大きいペニスを頬の内側に表からはっきりわかるくらい擦り付けるように抜き差ししていきます。いちばん最初にむりやり口の中に入れられてピストンされ嫌がっていた表情と仕草とは真逆の姿がとても印象的でした。
おすすめポイント④言葉の消失からの怒涛の攻勢
女優としてのもえちゃんのストロングポイントのひとつは巧みなセリフ回し。時に冷静に時にキュートに、緩急をつけながら追い込んだり誘惑したりしていくのが楽しい女優さんです。絡みの時に淫語を発するときも流れの中でするっと口にしてストーリーにうまく溶け込ませてトータルで絡みを輝かせることができる存在です。
では今回の設定の媚薬漬けをどう言葉で表現していくか。それはそうした言葉を消失させることで媚薬に支配された感じを出す選択でした。媚薬を飲まされて以降、もえちゃんが発するのは「ちょうだい」「ほしい」「きもちいい」「いれて」といった直接的な欲求と感情の表現、しかもほぼ単語だけ。常にぼーっとして退行したかのような姿が、「媚薬漬け」という印象を強くしました。
しかし、その表現一辺倒で終わらなかったのがこの作品の魅力です。最後の絡みからラストにかけて効果的なセリフを入れ込んでいくことでより濃い展開を進めていきます。1時間33分ごろから。仰向けの男の上にまたがって腰を擦り付けるもえちゃんに男は「俺が誰だかわかる」と意識を呼び起こさせます。「とおるくん」「ようすけが待ってるから帰ったほうがいいんじゃない」「いやだ」首を振るもえちゃん。「もっととおるくんとエッチしたい」「えっちしたいんだ」うなずくもえちゃん。
この冒頭のやりとりにはとても意味があるなと感じました。これまでのパートでは媚薬漬けにすることでもえちゃんはペニスとセックスのことしか見えず、そのためには何でも言うことを聞くような状態になっていました。それは彼氏だとかとおるかどうかもどうでもいいくらいまでになっていたかのようです。しかし、男が改めて自分を彼氏ではなくとおるだと認識させる儀式を行うことで、もえちゃんが少しだけ意識を覚醒した状態になったと解釈しました。そのため、これまでほぼ単語のような発話だったのがやや会話のようになったのでした。
さらに1時間38分ごろ。おねだりするときに「とおるくんのおちんぽくださいおねがいします」と言います。「とにかくセックスしたい」から「とおるくんとセックスしたい」に移行していることがわかります。男にとっては媚薬による快感を求めるもえちゃんをまずは手に入れ、とうとう自分を求めるもえちゃんを手に入れた段階だと言えます。
そのうえで男はまた快楽に突き落としてきいます。半覚醒の状態になったもえちゃん、ここからは単語ではなくもえちゃんの十八番、流れの中での巧みな隠語を連発します。
好きすぎるので特にぐっと来たセリフ集です。
「そのちんぽでじゅぽじゅぽして」
「それだめ。おかしくなっちゃうから。おまんこじんじんとまらなくなっちゃうから」
「もっと太いのでかきまわしてほしい」
「とおるくんの舌気持ちいいよ。してしていっぱいして」
「子宮がつぶれちゃうよ」
「おなかがばかになっちゃう。おまんこがおかしくなっちゃう」
「すごい。とおるくんのおちんぽすごい。大好き。大好き。これ大好き」
「こんなにいったらばかになっちゃう」
「いちばん奥まで。おまんこ壊れちゃう」
「ずっといってるから。すき。すき。すき。これすき。だいすき。だめ」
「ずっとおちんぽして。これからもずっと。私のおまんこ。いっぱいして。使って」。
いつものもえちゃんが戻ってきたかのようなコンボに興奮が増します。
そしてとどめは最後の絡みのあとのエピローグ。彼氏のスマホに動画が表示され、男にバックで突かれながらの言葉。「ようすけわたしと別れて。とおるくんがいないとダメなの。もうとおるくんのおちんちんがないと生きていけないの」お約束ではありますが、やっぱりないと寂しいセリフ。絡みの中でいちばんはっきりと意識があるような状態なのも良いですね。媚薬漬けの段階を経て明確にもえちゃんの意思で男に寝取られた、というふうに見えてゴールに到達した感じがあります。
前編通じて淫らな言葉に満ちていますし、今回の場合初めから堕ちているような状態。しかし、セリフの内容や分量を上手に調節することで、もえちゃんの状態の変化を描いています。特に最後のパートに「とおるくん」という言葉を重点的に配置したことで、身体はすでに仕上がった上での寝取りの総仕上げという位置づけがぐっと増して、パートごとの役割が明確になったのではないでしょうか。
おすすめポイント⑤個人的ベストシーン
今回のレビューはパートごとではなく、注目してほしいポイント別に見てきました。ではおすすめのプレイは、と聞かれればほぼすべてのパート、と答えられるほど濃いプレイの数々だと思います。もえちゃんが理性を外し没入感を深めたときの爆発力をぜひ堪能してほしいと思います。
特に最後の絡みは、この作品が目指したところと、筆者の注目したポイントが融合し、さらにもえちゃんの力量がそれらを輝かせる圧巻の内容になっていると思います。
そのうえで筆者がもっとも好きな絡みのシーンとして選ぶのは、玄関口まで彼氏がやってくるパートのなかの1時間26分すぎからです。
椅子に座った男のペニスをバックからお尻を打ち付けるように貪ったあと、今度は背面座位の形に移行して男に突き上げられます。大きくM字のように脚を開きガニ股のような卑猥なポーズに。そこから垂直に突き上げられるようにピストンを受けるもえちゃん。それをすべて受け止めるように体をピンと反らせて感じまくります。顔は歪み舌がをだして叫ぶようによがるさまは「忘我」という言葉がふさわしいかもしれません。さっきまで直ぐ側まで来ていた彼氏には一貫して関心を示さなかったもえちゃんが、さらに羞恥心すら忘れてセックスに狂う姿は鬼気迫るものすらありました。そしてとても脳に刺さる光景でした。
映像の構図も良かったです
構成やセリフの緩急、光るプレイがとても素晴らしい本作ですが、映像の構図もとても好みでした。それぞれこれまであげたポイントを撮る画角がどことなくマンガのコマ割りに近い構図で、置かれたシチュエーションと強調したいポイントとメインのもえちゃんの存在がちゃんと「描き込まれている」なと感じる瞬間が多かったです。いまそこ映しといてほしかったのに、と思う場面が殆どなかったのはかなり意識して緻密にカット割りをしたのではないかと勝手に思っています。
例えば何度も述べていますが玄関口に彼が訪れているときのシーンは、玄関口で不審がらずに立ったままでいるのは「ファンタジー」な演出なのですが、長い廊下の向こうに彼が立っていてそれが見える形で手前の部屋で絡む構図は彼がいるのにを意識させながら遠くに置くことで鬱陶しくさせない絶妙の構図で、主題のもえちゃんを際立たせながらシチュエーションも上手に説明していました。
またエピローグのスマホのシーンもあまり彼に語らせたりしてどろどろさせずにテンポ良く寝取られたことを表していて、ドラマのワンシーンというよりもNTRエロ漫画であるような最後のカットを思い起こさせました。細かいリアリティよりシチュエーションのエロさが伝わる表現。それでいて陳腐というか思わず笑ってしまう雑で荒唐無稽なものにならないようにバランスが取れていたと思います。
キメセクのさじ加減と納得感
キメセクというのは多用されるテーマではありますがとてもさじ加減が難しいジャンルだと思います。ただ急に感じるだけではなんだか冷めてしまいますし、落ち具合もそれぞれの好みはあるもののあまりやりすぎると陳腐になる気がしますし、普通だとそれって普段の絡みとどう違うのという話になります。ふだんその女優さんがどういう感じ方をするかどこが気持ちよさそうかがわかっていればなおさら。そこをどう説得力を持たせ、納得感のある快感を表現するかで興奮度は変わってくると思います。
本作はそこで過剰にデフォルメチックに感じ過ぎず淫語をガツガツと大量に垂れ流し過ぎず(もちろんそれも見てはみたいのですが)、恋人の存在も、普段の生活も消し飛び、「そのこと」だけが頭に浮かぶという思考の態度の変化で見せたところに妙味があります。
さらに、薬による快感を与えられることで、男に服従はしても男に心を寄せることはない。というよりもその寄せる心というか人に寄せる感情というものが失われてしまった状態という状態をまず作り出し、そこから寝取った男への従属を描いていくという形の2段階を明確に作ったことで、セックス以外の感情が失われた状態で男に支配されてしまうNTR感が強くなったと思います。
明確に意図されたミッションと感じました
もえちゃんは絡みだけで心の動きやその時の感情を表現できる女優さんです。実際その力量を活かして良い作品が生まれていると思います。しかし今作は、媚薬で心の動きを失わせてしまう、あるいはセックスという一方向に張り付けてしまうという意味でその力がある意味封印されることになります。
しかもその媚薬の効果は序盤に効いてしまうので嫌だったけど媚薬を飲まされて・・・とか媚薬が次第に聞いてきて・・・という変化も封じた状態。さらにセリフやドラマ部分による展開の転がしも最小限です。
そうすることで、もえちゃんがセックスを求めのめり込んでいく姿をいかに表現するか、という一点に作品のポイントが絞られました。これは表現の幅を狭めることにもつながるので難しいミッションだなと思いましたが、かなり意識され意図されたミッションだったのではないかと推察しています。もえちゃんが絡みの技量をこれでもかと繰り出し、制作陣が絡みのドライブをかけることだけに集中して構成したことで、そのミッションは成功したと思います。
2021年の12月配信ということで、21年最後のこの作品。作品を評価し好きになり気に入るポイントは決してエロさだけではないということを先回りしてお伝えしておきます。そのうえで、2021年のあまつか作品の中で「最もドエロイ」作品になったことはまちがいありません。
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