もえちゃん得意の誘惑スタイル
抜群のビジュアルと妖艶な姿で性的に煽っていく一方で、あくまで相手の様子をうかがいながら理性的に冷静に追い込んでいくという誘惑スタイルはもえちゃんの鉄板中の鉄板スタイル。 落ち着いた美しいエロスが続いた後の最後の絡みが熱い!表情、仕草、ポージング、言葉を繊細に変化させて興奮を高めていく力量が今回も見事。本心や意図を表に表さないミステリアスなキャラクターも魅力的です。
「セールスレディ」王道の構成
2年間付き合っている彼女がいるが最近セックスがマンネリ気味の若めの男性を誘惑してフェラ抜きする前半のパートと、20年近く連れ添っている妻と最近ご無沙汰の中年男性をセックスに引きずり込む後半という構成。
いずれもパートナーが不在の男性の家を訪れ、下着のセールストークから「私が実際に着てみます」と下着姿になり誘惑していく。基本的にはセールスレディものの王道の流れだと思います。
良いところ①「あまつかさん」のキャラ
セールスレディものの王道とはいったものの、もえちゃん演じるセールスレディ「あまつかさん」のキャラ立ちがとても良くて惹かれました。
色気で誘惑してセックスと引き換えに…というのが基本線ではあるのですが、誘惑の言葉をとにかく下着の魅力にフォーカスします。自分の体を触って、ではなく下着を触ってと誘導し、こういういやらしい雰囲気になるのも下着の効果なんです、と自分そのもの欲望を向けさせず常に下着を意識させる。
さらには会話の要所要所で彼女あるいは奥さんと、いま私としているようなことをしたくありませんか?とパートナーを意識させる投げかけをします。素直に行けばエッチなことさせてあげるから高級下着をご購入してね、で成立するわけですが、基本を押さえつつもそこにひとひねりを加えることで何を考えているのがちょっとよくわからないミステリアスな感じが出ています。
下着を意識させパートナーを意識させ、目の前で淫らな姿を見せている自分にはあまり言及しないといいうキャラクターになんだかつかみどころのない不安定な気持ちにさせられて、そこにエロが入り込んでくるというのがとても魅力的に感じました。このあたりのキャラクターの作り方はとても好みでもありますし感心しました。
良いところ②男優さんの空気感
男優さんの空気感も特によかったのが高評価です。
前半の男優さんは気弱で優しそうでM気質というキャラクターがもえちゃんになし崩し的に誘惑されてフェラ抜きされちゃう、という流れとぴったりあっていました。容姿や声、年齢なども相応。セリフ回しも、いかにも戸惑った気弱な若い人がいいそうな感じ。
後半の吉村卓さんには良い意味で驚かされました。一時期は「怪優」と称されていたと記憶する吉村さん。個性が前に出るタイプの方という印象がありましたが、今回の役どころである、ちょっと地味でさえないけど妻との関係も比較的良好で気のいい中年男性という役にすごくはまっていました。誉め言葉として「そこらへんにいそうな普通のおじさん」にみえました。
女優さんの演技や設定がはまってても、どうも男優さんが年齢的に合わなかったり演じてるキャラと見た目が合わなかったりすると気になるものです。今回は違和感がないどころがむしろあってるなと思ったので成功だと思います。
また2人の男優さんともにいえることですが「あまつかさん」との会話のシーンのセリフも変な話ですが「自分もこのシチュエーションだったら同じようなリアクション同じような返答をするだろうな」というものでとても自然に(自然じゃないシチュエーションなんですけど)頭に入ってきました。
デフォルメしない。でもガチガチのドラマのようなセリフにしない、そんな肩の力が抜けたやりとりがとても良かったです。これは制作陣の演出の成果でもあると思います。
良いところ③絶品のスーツ&ランジェリー
前後半ともにスーツ→下着の流れ。最近は普段本人が着ていてもおかしくないような服も多かったですが、今回はAV仕様といってもいいスーツですね。
前半のクリームっぽい色のジャケットに少しフリル感のあるシャツはとてもクリーンな女性らしい感じですが、ここにミニスカに絶対領域があいたストッキングというのがセクシー。スーツのままの立ち姿ももっと見てみたかったです。
後半のボタンのラインのフリルが印象的な白いブラウスに黒のミニスカ+ベージュのガーターストッキング。こちらもヒール込みで少し全身が見たかった。
前半後半ともちょっと熟女モノの雰囲気がある衣装をかわいらしいもえちゃんが身につけているのが個人的にはツボでした。
そして下着。
前半はパープルのボディスーツのようなスタイルの下着。もえちゃんの体のラインにぴったりと合っていてとても奇麗で妖艶です。
後半はベージュ系のとにかく透けているランジェリー。こちらの方が前半よりセクシー度は高いのですが、色合いのせいかとてもかわいらしく見えます。
作中もえちゃんは「女性は下着で変わるんですよ」ということを何度か言いますが、確かに同じ髪型、メイクでも、下着の雰囲気でかなり印象が変わるなと思いました。もちろん普段の作品でも衣装や下着をシチュエーションに合わせて変えているわけで、この作品に限ったことではないのですが、改めて下着に視点をフォーカスさせることでそのあたりの楽しみを再認識した気がします。
おすすめシーンに行きますが
ここからはおすすめシーンを紹介したいと思うのですが、後半は語りたいことが多くなりました。そこで前半はおすすめシーンを、後半は語りたいことを中心に進めていきたいと思います。
おすすめシーン①寸止めからのキス
13分すぎ。「この下着を身につけるとすごく大胆な気持ちになれるんです」と覆いかぶさって誘惑してくもえちゃん。仰向けになった男の乳首を触りながら絡みつくように顔を近づけていく姿がとてもセクシーです。唇に唇を近づけたままの寸止めの感じが焦らされているようでたまりません。そこからゆっくりと優しく、しかし音を立ててねっとりとキスをしていくシーンは焦らされた分とてもグッときました。もう少し長い時間見たかったくらい良いシーンでした。
おすすめシーン②キスフェラは良いですね
17分すぎ。男のズボンを脱がしてフェラの体勢へ。いきなり咥えず、優しくペニスにキスしていき、先端を舌でこちらも優しくなでるように舐めていくシーンがとても良いです。男の様子を見ながらゆっくりと動いていくので、きれいな顔がはっきり見えるのが高評価です。
おすすめシーン③お掃除が本体?
21分ごろ。しっかり抜かれてしまった男に「下着をご購入された方にはお掃除フェラ」ということでお掃除フェラ。全身を動かしてゆっくりと深く咥えてしごきだしていくような動きは、まるで2回目の抜きにかかるかと思うほどのしっかり具合で、男優さんのフィニッシュ前の抜きにかかる動きよりも、こちらのほうがフェラの動きとしてそそりました。
語りたい後半
後半の絡みは「あまつかさん」が販売のために訪問したお宅の玄関で、妻不在のまま夫の「吉村さん」にセールスをはじめて誘惑していくという流れ。
謎の言葉「奥様だと思って」
下着姿で誘惑する「あまつかさん」に引き込まれながらも奥さんがきたらどうしようと戸惑う吉村さん。それに対し「いつ奥様が来てもいいように、私の名前を奥様の名前で呼んでみてください」と告げます。それに魅入られたように吉村さんは「あまつかさん」を「かずこ」と呼び始めます。
これはとてもシュールで不思議なセリフで引っ掛かりました。なぜ「あまつかさん」はそういったのでしょうか。
考察①相手の言い訳を用意
一つの考え方は、これは「自分はあくまで身に着ける妻を想像するためにしてることで、目の前の女の人ではなく妻のことを考えてやってるんだ」という言い訳を用意してあげてハードルを越えやすくした、ということでしょうか。しかしこれはいくらファンタジーとはいえ苦しいかもしれませんね。
考察②自分に欲望を直接向けさせない
もうひとつの考えかたは、ストレートに体で誘惑して契約を取るという定番の手法なんだけれども、いちいち自分自身に惚れられたり向かってこられたりすると面倒なので「奥さんだと思って」というクッションを挟むことで、ストレートに欲望を自分に向けさせずに性欲だけ上手にあおっていくというひとつの営業スタイルという考え方。これも若干わかりにくいかもしれません。
考察③特殊性癖
本当は普通に体と引き換えに契約を取ってもいいんだけど、奥さんを常に意識させ奥さんとのセックスをロールプレイすることで、今後吉村さんが妻とセックスるときには「あまつかさん」を思い出さざるを得ない精神的NTR的なトラウマを残したいという特殊性癖の持ち主という考え方。かなり考えすぎですね。
夫婦プレイとセールストークのコンボ
「かずこ」と何度も呼びかける「吉村さん」に「かずこのおまんこ味わって」「あなたとずっとこうしたかったの」と「かずこ」として応じる「あまつかさん」。
こうして繰り広げられる夫婦としてのやりとりをロールプレイしながらの絡みはちょっとシュールでコミカルでもあり、でもとても愛らしい感じもあり、なんだか不思議な感覚です。
このあとやっぱり「奥さんにばれたら…」という言葉を吉村さんが発したり、それに対して、「もし奥さんが戻ってきたら3人でいっしょにしましょう」とセクシーにあおったりして、夫婦プレイのやりとりとそれ以外のやりとりが一入り交じります。ロールプレイとセールストークを織り交ぜながらささやかれ続け思考と気持ちが混乱していくうちに誘惑/説得されていくのはとても良かったです。
さらにワンクッション
こうしたやりとりをしつつも、あくまで下着の魅力をアピールしていきます。下着でそういう気持ちになるんだと下着にフォーカスさせていく。もえちゃんも淫らになっていき男もそれに興奮していくことで、この下着を身につけることで妻にあるいは女性にこうしたかったという欲望をぶつけていく。もちろんも「あまつかさん」の魅力で誘惑しているわけですが、あくまで下着の効果を強調しパートナーのことを常に意識させながら行為を進めていく。
単純に言えば体を引き換えに高級下着を売る、ということでよさそうなところを何段階にもひねっています。このことで「あまつかさん」の意図や思考は最後まで謎に包まれたままなのが面白いです。
屈指のエロシーン「購入された方には…」
もう我慢できない、とむしゃぶりついていく「吉村さん」ですが、さらにフェラをされ、煽られていきます。
42分ごろ、バックの体勢でペニスを擦りつけながら「まずいです」と漏らす「吉村さん」。
それに対して「あまつかさん」が「まずいってなにが?」と返し、後ろを振り返ってキス。ここの表情、舌の絡め方、セリフのいいかた、背中を反らせたポージング。とてもとても色っぽいです。
そして畳みかけるように「今なら下着を2枚ご購入のお客様にセックスのサービスもついているんですけども」と誘惑します。聞き返されてもう一度繰り返す「あまつかさん」。ここではちょっと意地悪そうなニュアンスが表情に交じるのがたまりません。そして「いかがなさいますか」という表情ではまた冷静な表情。そして、追い打ちをかけて「この熱くなったおまんこにおちんちんぶちこみたくないですか」と問いかけるときには目を閉じて、セクシーに、でもかわいらしくおねだりするような表情。そしてまた冷静な表情に戻る。
このシーンの一連の表情の繊細かつすべてに意味がある変化は見事としかいいようがありません。
ここから一段と解き放たれ方のように絡みモードに突入。2人のギアの上げ具合がはっきりわかります。
47分ごろ「この下着をつけるとこのように激しくセックスしたくてたまらなくなっちゃうんです」はこれまでのストーリーラインからするとセールストークなのですが、本当に下着で感情が変化したように火が付く様子がこれまでの理知的にからめとっていく雰囲気とはがらりと変わって淫らです。
そして48分ごろ。「あなたとずっとこんな激しいセックスしたかったの」と言いながら舌をからめて騎乗位で腰を振る「あまつかさん」。それにあわせるように抱きしめて激しく突く「吉村さん」。「こんなことしたかった」「きもちいい」と連呼します。
そんな激しい攻めを受け「すぐいっちゃう」といってキスをねだったり、立ちったま挿入されて「入口のところきもちい」と口にしたりとテンションが上がっていきます。
そして55分ごろからのラストスパートでは「体中愛して」「全身いっぱいいっぱい愛して触って」「いっぱい気持ちよくなっているわたしのこと見て」と「吉村さん」に呼びかけます。
大人のラブラブなセックスに見入りました。普段見てるAVからするとかなり新鮮でした。夫婦の愛し合うセックスをみせる作品て稀ですものね。ここを夫婦のロールプレイといちづけたからこそでてくるセリフのやり取りと絡みと言えるのではないでしょうか。かなり満足感がありました。
フィニッシュ後は「この下着のよさをあますところなくご理解いただけましたか?これからもどうぞよろしくおねがいいたします」とふたたび「あまつかさん」は営業モード。このあたりのオチの付け方はお約束で安心します。
スイッチの言葉で妄想(完全に妄想です)
ここでもう1度、48分ごろの「あなたとずっと、こんな激しいセックスしたかったの」というセリフに戻ります。ここで筆者はあるひとつの妄想に取りつかれてしまいました。
今回もえちゃんは吉村卓さんと久しぶりの絡みとなります。もえちゃんは、以前から、吉村さんのことは評価していて、共演相手はえらべるんでしょというやや「わかっていない」質問に対し「選べるならヨシタクさん選びたいよ」と返したこともあります。
そのヨシタクさんとの久しぶりの絡み。この48分のこのセリフを聞いた時に、女優としての「天使さん」が男優としての「吉村さん」に、「久しぶりですね」というあいさつ代わりに発したセリフのように聞こえてしまいました。もちろんまったくの完全妄想ですよ。
前述したようにこのセリフのあとの絡みは、それまでの淫らではあるが冷静に追い込んで誘惑していくスタイルががらっとかわり、セックスを積極的に求めていく形になり、誘惑的な攻めから受けへと変わっていきます。それにあわせて「吉村さん」にもぐっとスイッチが入り熱のこもった絡みが繰り広げられます。
何度もいうように完全に妄想ですが、作品中の役柄としての「あまつかさん」と役柄としての「吉村さん」が夫婦の体で若い頃の情熱を取り戻したようなセックスをするというシチュエーションを通して、女優としての「天使さん」と男優としての「吉村さん」が久しぶりの良いパフォーマンスを発揮したセックスをするという構図を感じ取りました。そう受け取ってみるとそこにかなりグッときて興奮したのです。
繰り返し何度もいいますが完全に妄想ですし、生身の人間の方が関わるので、気に障る部分もあるかなと恐れながら、しかし自分の思考を記録に残すために書いています。読まれた方も、妄想こじらせてんな、とスルーしていただければ幸いです。
このような超個人的な視点で見ていくと「奥さんだと思って」というセリフ以降のふたりの言葉のひとつひとつが作りこんだ台本のセリフじゃない生き生きした(生々しいともいいますが)ことばに聞こえてきました。
重層的ダブルミーニング
ロールプレイすることによる疑似的夫婦セックスというラブラブな熱いセックスと奥さんを意識させながら絡むNTRセックスのダブルミーニングでもあり、役としての2人のセックスと女優さん男優さんのセックスのダブルミーニングにもとれる。
さまざまに絡み合った妄想を掻き立てる重層性に淫靡なものを感じる最後の熱い絡みでした。
こうした妄想がはかどってしまうのも、「あまつかさん」のキャラのミステリアスさにあると思います。売るために体を使うというある意味あるあるの流れにしてはめちゃめちゃひねった話の進め方誘惑の仕方。あくまでも下着の良さを繰り返す執着心。もし下着で変わるんですというのが文字通りの意味だったら?下着のフェチ的な魅力に取り憑かれてしまった女性、という設定もいけるな、などとさらに妄想が膨らんでいきました。
与えられたキャラや設定を、さまざまな味わい方ができるように幅を持たせて演技する力量がもえちゃんには備わっていて、そこが得難い魅力になっていると再認識しました。
定着した「定番をあまつかスタイルで」
とにかく後半の「奥さんだと思って」という流れからのやり取りを丁寧に拾いながら細かい雰囲気とニュアンスを楽しんでほしいと思います。
体を使って下着を男性に売るというAVらしい設定を貫きながら、とても愛にあふれて優しくてチャーミングなセックスを見せていく。でも最後は冷静なセールスレディに戻っていく。その振れ幅を自分で理性的にコントロールする様が、女優としての天使もえと重なるようでもあり、とてもよくハマっていました。
定番の設定をもえちゃんらしい切り口で味付けしてあらたな魅力を付け加えていく、そんな最近のスタイルを遺憾なく発揮した作品です。
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