男の下心をリアルなもえちゃんが・・・
もえちゃんが普段のテンションのまま男たちを誘惑してフェラとセックスに引きずり込んでいく。「こんなエッチな展開あったら・・・」という男の妄想が素のもえちゃんのリアルで実現していく空気感が生々しくてもえちゃんの作品として新鮮です。絡みにすぐ行くのは早すぎます!誘惑の言葉や仕草や表情をじっくり楽しむのがこの作品のポイントです。
グラビアの撮影ということでスタジオにやってきたもえちゃんを監督が呼び止め、何も知らないスタッフたちを誘惑してフェラやセックスに持ち込んでください、というのがスタート。アシスタント、メイク、プロデューサー、カメラマンと次々と押し倒していく様子をスタジオに仕掛けられたカメラでウォッチしていうという、「ドッキリもの」という趣向です。
カメラマン・メイクに対してはそれぞれフェラ。定点カメラをスイッチングしながらウオッチしていきます。そしてプロデューサーにPR動画用のビデオカメラを持たせたままフェラと手コキそして追撃フェラ(定点あり)。最後にカメラマンにイメージ用の動画もついでに撮るというシチュエーションでハメ撮り(定点あり)という構成です。
絡みのシーンもさることながら、事情を知っているのはもえちゃんひとりというシチュエーションの中でどうやっていきなりエッチな展開に誘惑していくのかというのが見どころの一つになっています。
「天使もえ」を構成する4つの階層
「天使の騎乗位」のレビューでも触れたのですが、我々が見るもえちゃんはさまざまな階層で構成されていると考えています。もちろん個人の勝手な妄想です。
具体的に言うと
(1)「女優として作品中で演技する天使もえ」
(2)「イベントやライブ、ステージの天使もえ」
(3)「オフっぽい場面やリラックスした場面での『天使もえとしての素』」
(4)「以上の側面からにじみ出るそれ以外の人柄」
におおまかに分けられると考えています。
例えばFALENO作品で言うと、
A:「CA」や「妹」は王道の(1)のもえちゃんの作品。
B:「奇跡の移籍」は絡み以外のパートは(3)で絡みは(1)というこれも正統派の作品。
C:「デート」「騎乗位」はシチュエーション物で(1)をしっかり守りつつ(3)のテイストを出した作品。
D:「温泉旅行」は前半(3)後半(1)とガラっと変えた作品
と理解しています。
もえちゃんはCのパターンがとてもうまい女優さんだと思います。しっかりとした演技をキープしつつちょっとスパイスでちょっとしたプライベート感というか素の感じを演技に入れることで、緩急をつけグッとリアリティと気持ちの入り具合を表現できるのが素晴らしい女優さんです。
もちろん、それぞれの女優さん、人前に出る仕事の人というのは、多かれ少なかれこういう階層を持っていると思います。
しかしその中でも特に天使もえさんという女優はとても「天使もえ」であることに自覚的だということだと思っています。いいかえると、とても意識的戦略的にそれぞれの階層を使い分けて表現している。
起用する側にもそれが見えていて、かつ狙った通りに表現してくれる信頼感があるので、どの階層を使ってあるいはどの階層を組み合わせて表現していくかということに自覚的戦略的になれる。つまり作品を作りこんだり、構成を練りこんだりする余地が大きくなるということだと考えています。
もちろん、裸のまんまのキャラクターと勢いがいい作品を生むということは十分あって、そういう作品のほうがエモかったりすることもあるわけですが、トップクラスの女優としてそして存在感を示していくためにはそれだけでは足りない。
だから新人といわれる期間を過ぎた後、いや新人時代からも試行錯誤の連続だと思うのですが、そのなかでもえちゃんが選んだのが、この徹底したキャラのコントロールなんだろうと思います。
慌てて付け加えておきますがキャラのコントロールというのはネガティブな要素はまったくありません。
なぜなら、「天使もえ」は女優であり、プロフェッショナルであるからです。もちろん時に本音や気持ちを吐露することもあるでしょう。それはそれとして、ファンである自分は素直に本音として受け止めます。
それとプロとして演者として自分の魅力をどう表現するかはまったく違う位相にあることです。自らのブランディングとしてキャラを作るというのは、タレントにとって決してマイナスなことではないと考えていることを付け加えておきます。
今回の階層とその意味
さて、話をもどして、では今回の作品はどの階層で表現された作品なのか?というところです。
いろいろな見方はあると思いますが、個人的には、今回の作品は初めて意識的に(2)の「イベントやライブ、ステージの天使もえ」をもってきた作品だと考えています。ドラマものの演技モードではない、かといって「素」やプライベート感を出すモードでもない。AV以外のお仕事をしているときの公のテンションで誘惑し絡んでいく。ここが今回の作品の大きな特徴だと思います。
それはある意味自然な流れではあります。スタッフさんに対応するためにはキャラの演技のはずはありませんし「素」でもないでしょう。必然的にお仕事モードのもえちゃんで進んでいくしかないわけです。ただ、分岐点はあります。誘惑するときです。突然演技のようなエロエロモードでは不自然ですが、選択肢として、もっとプライベート感を出して迫るという手もあったはずです。というよりむしろその方が誘惑っぽく見えるわけです。しかし、今回の作品では(2)のキャラクター、テンションで進んでいきます。ここに独特の雰囲気がでていると思います。
実は我々側からみるもえちゃんのリアルな姿というのは(2)がメインだったりします。
我々が、特にファンが接する時間が最も多いのが(2)のもえちゃんだからです。その(2)のもえちゃんがそのままエロに移行するとどうなるかというと、ここにはファンにとっての圧倒的なリアリティが生まれます。普段YOUTUBEやイベントで見るテンションや雰囲気のままのもえちゃんがエッチになっていくというのは、よく言われる「イベントで生の姿をみて言葉を交わししたあと作品を見ると・・・」どころの話ではなく、さっきみた人がそのままのノリでしてるじゃん、となるわけで、これはかなりドキドキものではあるわけです。
リアルなもえちゃんがファンタジーな設定で
と、ここまでそのリアリティを強調しておきながらひっくり返すようですが、これはあくまで設定です。
スタジオにグラビア撮影ということでやってきた何も知らないスタッフさんを誘惑して。。。というシチュエーションになっていますが、この2020年10月の我々は、すでにAVの撮影にあたっては事前にどんな撮影をするかについてはまあまあ条件を詰めるということを知っています。さらに、絡みにあたっては男女問わず性病検査を行って問題がないことを確認することも知っています。
もちろん幅の広いAV業界ですから、濃淡はあるでしょう。しかし、大手の配信プラットフォームを使っているメーカー、女優さんはトップクラスです。そして、天使さんの所属事務所はそういことをグレーなところはきっちりはっきりさせて女の子を守りましょう、ということに積極的に関わってきた事務所です。ということで、残念ながらAV関係じゃない見ず知らずの人たちにいきなり粘膜接触ありのどっきりを仕掛けるということ自体が成立しないということが、「どうせ台本でしょ」という憶測レベルを超えてはっきりしてしまっています。
作品はもえちゃんに委ねられた※100パーセント妄想です
それでは、制作側としてはそんなある意味見えている設定を使ってなにを見せよう、もえちゃんから何を引き出そうとしたのか、というところがポイントになってきます。
ここからはどういう仕組みになっているかがわからないので、今まで書いてきたこと以上に推測というか妄想の域になってくるのですが、男性陣にはそれぞれのキャラの設定は守ってリアクションすること。もえちゃんに自分から手を出したり積極的に行くことは絶対にしないこと。一方でもえちゃんの言うことには戸惑ったり少し抵抗しながらも最終的には従ってその通りにすること、という共通ルールが設けられていたと推測します。
天使さんには、男性陣からは手を出さないので、誘惑して絡みにもっていってくださいということと、各男性についてこういう手法でここまでやりましょうくらいのざっくりとした目標がつたえられ、あとのやり方はお任せします、という感じだったのではないかと推測します。
男性にしかけられたドッキリの体をとりながら、もえちゃんの対応力とリアクションを見るのがテーマで、その場をもえちゃん自身がコントロールしたときのその姿や力量がみたいというのが制作側からのリクエストだと感じました。
(2)の破壊力 vs.アシスタント】
そのリクエストへの答えが、先ほどから述べている(2)のもえちゃんで通すというやり方でした。
イベントや配信で他の出演者に話しかけたり突っ込んだりするノリで誘惑していくもえちゃんがとてもかわいいです。
最初のアシスタントは、ニコニコしながら誘惑されたのに動揺して「熱いとか寒いとか・・・」と必死に仕事の話に戻そうとします。そこでもえちゃんはすかさず「じゃあ寒いかもー」といって抱き着いて上目遣いでもういちど「さむいー」。これはずるいやつです。
そのあと「わたしすぐいかせられちゃう気がする」「すぐ出来ちゃう気がする!」といきなりフェラする流れは完全に普段見るノリなので、かえってドキドキします。
(2)の破壊力 vs.メイク
次のメイクは、水着に着替えるので席をはずそうとするともえちゃんが、「えー手伝ってえ」「手伝ってくださいっ!」とおねだり。めちゃめちゃかわいいです。
「昨日夜遅くて、疲れちゃって、駄々こねたい気分なんです」と畳みかけ、メイクさんがOKすると手を広げて「やったー!」はいずるい。主役のご機嫌を損ねるわけにはいかない感じと、女性と数多く接しているメイクさんの女の子に対する優しい感じがよく出ています。
そしてなし崩し的にフェラが始まり、手コキで発射へ。「でちゃう」というメイクさんに「だしてだして。みたい」といって実際に発射するのを見たときの「わーすごーっ」っていうリアクション。「全部出た?」と聞いてからのいたずらっぽくペニスをしごきながら「ほんと?」「ほんと?」って聞くところ。ニコニコしながら「なめていい?」て聞くところ。このテンション、みたことあるやつやあってなります。
(2)の破壊力 vs.プロデューサー
プロデューサーのパートでは、グラビアのPR用として動画メッセージをとるシーンがポイント。このメッセージも、演技っぽくではなくイベントの告知用などで見る奴です。こうした画面の外でのリアルからそのまま誘惑のシーンとつなげることで、とても生々しくなりました。
そのあとも口調はいつものもえちゃんのまま「いままでハメ撮りしたことないんですか?」とか普通の会話のように和やかに聞きながら穏やかにエロに移行していきます。
カメラの前でペニスに顔を寄せながら「イエーイ。即尺大好き女優のあまつかもえですっ」とポーズをとってから突然加えていくのはかなりの反則。日常のテンションで日常では絶対言わないことをナチュラルにいうのはかなりグッときました。
(2)の破壊力 vs.カメラマン
最後のカメラマンは、写真撮影のあとにイメージ用として動画を撮るのですが、このカメラの先でポーズをとるもえちゃんがすでに誘惑、というところがポイント。
彼女撮るみたいにとってとだんだん濃度を上げていきます。
「プロデューサーさんともこれよりもっとエッチなやつ取ったんですよ」「なにしたと思います?」と妖艶に聞く姿はそそります。
このあと、カメラの目線はしばらくもえちゃんを上目遣いの状態でとらえることになるのですが、ここは本当にやばい。自分が誘惑されているかのように感じられて、かなり興奮します。
これだけ長回ししても、演技のセリフぽいところはまったくない自然さ。一方で全く素のようなラフさもない小悪魔さ。この「天使もえ」としての「素」を作れるところが彼女の力量のすごさだと思います。
ここまでとても日常感をベースにきて、最後の絡みのシーンの直前にギアが入ります。
対面座位の状態で「全部私のせいにしていいですよ」「私がしたくなっちゃった」「いれていい」と迫られて断れる人はいません。挿入後の「態勢つらくない?」の気づかいにやられてしまいます。
そしてこの後のテンションもとてもおだやか。セックスもオーソドックスなスタイルなので、まるでカップルのセックスのようなプライベート感があります。一方で要所要所でささやかれるセクシーな言葉や淫語がとても良いスパイスになって興奮します。
リアリティを支えるプレイと男優陣
オーソドックスなスタイル、といいましたが、ドキュメント感、日常感を出すのに細かい演出をしてるなあというのが表題の「即尺」にもつながるフェラ。出てくる4人の男性それぞれにフェラシーンがありますが、どれも「魅せるフェラ」というよりは「抜きにいくフェラ」。限られた時間で、ことを成し遂げるには当然の選択ですが、こういう細かいところに整合性をもたせるのは好感をもちました。
また男性陣のリアクションもリアリティを支えています。いきなり誘惑されて驚いたり困惑しますが、オーバーなリアクションはなし。大声でびっくりしたり、必要以上に動揺したりしません。テンションが高くなったり、エロモードになったりなれなれしくなったりもしません。きわめて普通のテンション。男がもえちゃんの誘惑に対してどう反応するか、というのは作品に入り込めるかどうかを決めるうえでとても大事な要素ですが、とても成功していたと思います。私にとってはふだんお見掛けするような男優さんはいなかったので余計そう感じたのかもしれませんが、そういう起用をしなかったのはおそらく制作陣のねらいで、その通りになっていると思います。
あまつかワールドの可能性
(2)をそのまま作品の世界に持ち込むということは、普段の天使もえと作品の中の天使もえを地続きにするということです。そうなると作品の中で絡んでいるもえちゃんがそのままイベントや動画でトークしているし、配信でわちゃわちゃしてたり語ってたりするもえちゃんがそのまま作品の中に出てきて絡むわけです。非AVの活動とAVの活動がよりつながることによって、お互いがお互いの補完情報となって世界が拡張することになり、境目がなくなって、より「あまつかワールド」として統一感が出てくることになります。
この手法が意識されたものなのか流れでなのか無意識に結果的になのかはわかりません。しかし、ゴリゴリのAVはちょっと、という人を引き込むハードルを下げることになるかもしれないし、AVしか興味ない、という人にも同じノリで動画も見られるよという提案ができれば、そちらの集客にも繋げられるのかもしれません。そうした相乗効果がより得られやすくなる可能性というのは期待できます。
一方で、AVと非AVの活動ははっきりと切り分けたい、という考え方もあるわけで、もえちゃんが今後どちらの色合いを濃くしていくのは興味のあるところです。
「王道」を行く
女優のキャラクターや人柄で引き付け好感をもってもらい、その人そのものをベースにエロを加えることで魅力的な作品に作り上げていく、というのは専属女優のそもそもの意義とコンセプトだと思っているので、そういう意味では本作はその王道を行く作品ともいえます。
一方で、ドラマ作品や個性的な設定や世界観の作品が強い支持を得ていて、プレイもよい濃い感じにチューンアップされ、どこを切ってもクライマックスといういわば濃い目の味付けの作品が目立つ気がするなかで、こうしたある意味全体の雰囲気で見せていって最後の最後にピークをもってくる、というやりかたは、見ている方がそういう手法なんだと理解するのに少し工夫が必要になるかもしれないとも感じます。
前後半で分割して2週間に1度の配信というスタイルも、意図と制作スタイルの違いをのみこんでしまえばむしろこっちのほうがいいなと思うこともあるのですが、既存の視聴スタイルとはリズムが違ってくるので、ここも効果的なプレゼンテーションがあるとより作品が受け入れられていくのではないかなと思います。
もえちゃんの女優としてのキャラと人柄を知って好きになる作品
普段の天使もえを見せつつそこに性的なニュアンスを濃く加えていくのは、もしかすると少しリスクをはらむものなのかもしれません。2020年のこの現代においても、演者としてのリアルと作品の中でのファンタジーを混同する人はいるでしょう。しかし、そのリスクを引き受けつつもあくまで女優の魅力で見せていく、天使もえを見せていく、という宣言のようにも解釈できます。定期的にこのスタイルを見せてもらえれば、その時のリアルな天使もえの魅力が感じられるかもしれません。「奇麗で清楚でエッチなおねえさん」という完成度を高めてほしいというは個人的な願望です。
もえちゃんのかわいらしさやちょっと意地悪なところ、冷静なところや頭の回転が早いところ。そして気遣いができてとっても優しいところ。人柄の魅力が十二分に表れているこの作品。見れば天使もえという女優を好きになると思います。プレイを楽しむのはもちろんですが、そんなもえちゃんのふだんの人柄の魅力を知る一端になるような作品だともいます。
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